新卒採用ホームページ古今東西。学生の心に届く採用ホームページのトレンドと役割とは?

こんにちは。株式会社パフの大岡と申します。

20年以上人材業界を彷徨い、採用関連の制作物案件を幅広く扱っております。

◆「採用ホームページ、作ってますか?」

長嶋茂雄さんに聞いてもらいたいフレーズで始まりました、採用ホームページのお話です。

回答としてはほとんどの方が「もちろん」とお答えいただくかと思いますが、ごく一部に募集要項だけでナビに掲載している情報を学生には参照してもらっている、という方もいらっしゃるかもしれません。オファーサービスの台頭もあり、近年のナビ離れの加速はこちらの想像より上です。さらに言えば、ナビは学生にとって、あくまで企業発見ツールの位置づけなので、詳細の記事は多くの学生は読んでいないと思われますから、採用サイト無しの採用活動は棍棒でドラゴンを倒しに行くくらい難易度の高いミッションですね。

◆採用ホームページ黎明期

 

採用ホームページは企業の情報提供におけるプラットフォーム的な存在である。ということは昔から疑いようのない事実ではありますが、採用ホームページの在り方というものは実は時代とともに大きく変わってきました。

私が社会に出たのが1994年。ちょうどそのころからオフィスではワープロに代わってパソコンが台頭し、Windows95が登場したころからインターネットの波が急速に押し寄せてきました。一つ上の先輩がしきりに「ワールドワイドウェブ!」と声高に叫んでいたのが今でも思い出されます。

私の記憶ではリクナビの前身のようなエントリーサイトができたのは1996年だったかと思います。

当時の紙の集合媒体の紙面をそのまんまWEBに載せただけのような今では考えられないお粗末な仕上がりのものでしたし、まだまだ学生側の普及も進んでいなかったのでハガキエントリーのプラスアルファ的な存在でしかなかったですね。

当然その当時、自社の採用ホームページを持っているような企業はほんの一部でした。

 

ですが、そこから数年経つとナビも飛躍的に発展し、様々な機能が付加され、企業の採用ホームページも当たり前に用意されるようになりました。

最初のころはまだまだ紙文化の名残があったので、ホームページの画面はA4で印刷してこぼれない大きさで作るのが定番でしたね。

内容としてもそれまで当たり前に作られていた入社案内をそのままWEB化したようなもので、事業概要、沿革、社員紹介、福利厚生や教育研修など、これをくまなく見ればとりあえずその会社のことがわかるという感じで網羅性重視の傾向が強かったです。

ただ、パンフレットと違ってWEBはくまなく読んでくれないんですよね。

それがわかってくると、重要視されたのは欲しい情報にたどり着きやすいユーザビリティと回遊性を高める工夫です。

上部にグランドメニューを設置するのが一般的になり、サイトマップがそのままくっついたラージフッタをつけたりして次のコンテンツへの誘導を意識したつくりを心掛けるようになりました。

◆マイページコンテンツの登場

 

次の変化はマイページコンテンツです。

学生管理システムが発展して自由度が上がると、マイページ内にコンテンツを用意して、例えば理系学生の学科系統別に登場する先輩が変わる社員紹介とか、1次選考合格者だけが見られるコンテンツとか、属性フラグと連動することでどこからみられるかわからないゆえに情報の深度を操作できないというWEBの弱点を補完する効果がありました。

超人気企業なんかはマイページコンテンツの感想文を三回出さないとエントリーもできない、なんていうスクリーニングをしているところもありましたね。

マイページはあるころからあまり使われなくなっていきますが、その理由は私もよくわかりません。。

◆スマートフォン対応

スマートフォンが一般化すると、画面構成が大きく変わります。

今の標準に近い、縦長の画面ですね。

最初のころはスマホ対応はさほど進まず、パソコン用に作られたサイトをピンチで拡大したりする手間があるサイトも多かったですが、使いやすさがページビューに直結したために対応はマストとなり、スマホの普及がさらに進むとむしろスマホファーストの作りが定番になりました。

今のように画角で自動的にレイアウトが切り替わるレスポンシブデザインが当たり前になったのはここ10年くらいですかね。

技術的にもこれも今では当たり前になった視差効果のパララックスや、トップの背景ビジュアルが動画になっている背景動画など、新しいものが次々に流行りました。

 

昔話ばかりしてきましたが、ではこれからの採用ホームページはどうなっていくのか、というお題に対しては私の個人的な見解になりますが、大きく3つの予測があります。

【予測1】採用フローに合わせた様々なサイトができる

上の方で網羅性とユーザビリティ重視と書いた採用ホームページの傾向は、3~4年前まで大きくは変わりませんでした。

当社が提唱する「コミュニケーション設計」の5ステップ、

【興味喚起】

【共感形成】

【理解促進】

【動機形成】

【信頼醸成】

においては主に【理解促進】を担うのが採用ホームページの役割でした。

ですが、これが一概に言えなくなってきています。

◆ダイレクトリクルーティングの台頭

主な原因はダイレクトリクルーティングの台頭です。

すでに貴社を知っているのが前提のナビ経由の学生や、説明で興味を持ったイベント経由の学生がより貴社を知りたいと思って訪れるのが採用サイトでした。

ですがダイレクトリクルーティングにおいては、貴社に対する予備知識がない学生が大半です。また、サービスによってはオファー承諾枠が決まっているので、オファーをくれた企業がどんな会社なのかをまず吟味する必要があります。

そこで見られるのは採用ホームページになりますよね。

この場合の役割は【理解促進】ではありません。【興味喚起】です。

網羅性とユーザビリティを重視したつくりではちょっと覗いて印象が薄いなと感じてオファー承諾を見送ってしまうかもしれません。

インパクトのあるキャッチコピーやイメージが伝わりやすいデザイン。「まずはここを見て欲しい!」ということがわかりやすい構成などを意識したつくりは必要になります。

つまり、どういう経由で来る学生が多いか、どういう広報プロセスを踏んでいくのかによって採用サイトの役割が変わり、当然作りもそれぞれに合わせたものに最適化すべき、となるわけです。

【予測2】複数のサイトを併用する企業が出てくる

上記の予測1で語ったようなケースで、ではサイトを【興味喚起】に特化させよう!となった場合、では【理解促進】はどこで担うのか?を考える必要が出てきます。

説明会やパンフレットなどで補完するという方法もありますが、興味喚起のサイトと理解促進のサイトを両方持つ、という手もあります。

採用サイトを二つだなんて、そんなコストも工数もかけられない!という声もあるかと思いますが、興味喚起のために伝えるべき情報なんてのは多様な情報の中で2つか3つです。

それに下手に画面遷移をさせることによって伝えたいことが伝わらないリスクも増えますから、興味喚起サイトはキャッチーな情報に特化して構成された縦長1画面のランディングページで十分なのです。

これなら理解促進用に作られた現行サイトを大きく改訂する必要もありませんからこのやり方はおススメです。

【予測3】オンライン時代、マイページが復活する

これはオンラインの波が影響しています。

説明会以降、学生と直接接触で伝えていた魅力がなかなか伝える機会がなくなってしまったがゆえに、グリップが弱まったという声が多く聞かれます。

実際オンライン中心の採用活動では以降率、承諾率ともに低下傾向ですから魅力づけがうまく行っていないと言えます。パンフレットも手渡せないことを理由に(郵送すると学生は喜びますが)多くの企業では制作を見送っています。

ならば、選考中に伝えたいような後半戦用の【動機形成】につながるような魅力をコンテンツ化して、マイページから配信すればいいではないかということです。

ここでは表のページよりも狭く深い情報(ドキュメントやプロジェクトストーリー)や、ぶっちゃけ感のある情報(失敗談や裏話など)が一歩進んだ企業理解につながります。

使っている採用管理システムにマイページコンテンツの機能がない場合は、選考合格者への合格通知メールにURLを載せて配信するという手もあります。

志望度の階段を上らせることを意識して、段階的な情報提供をすべし、というコミュニケーション設計をサイト情報でも実現しようということですね。

 

パフでは信頼できる経験豊富な外部スタッフとともに、コミュニケーション設計の思想に基づいて、貴社にあった最適な採用広報ツールの企画と制作を行います。

魅力づけに課題を感じていらっしゃる方は是非一度お問い合わせください。

 人物紹介:大岡伸次

パフ執行役員、コンサルティンググループのリーダーとして商材の企画開発を行う。特に採用サイト等の制作案件は20年以上関わっており、紙、Web、動画等々、実績事例はもはや膨大すぎて数えきれず。趣味のスパイスカレーをサラメシとして若手にふるまうのが最近の趣味。