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スタッフコラム

採用教育担当の方へ。人事評価と「ツキの正体」平等とは何か~採用/評価/キャリアの答えは麻雀にあり?

作成日:2023.4.25

こんにちは。ミスターDです。

4月と言えば入社式とか色々ありますが、3月期末の企業では評価確定や新給与設定などで忙しい月でもあります。人事の皆さんもお忙しい3月、4月を過ごされたことだと思いますが、今回は自分の人事時代にもよくあった「面談あるある」を運やツキの話と絡めてお話したいと思います。

年齢がバレますが、私たちの昭和生まれ世代の大学生は「麻雀」をする人が多かった(最近また流行っている話も聞きますが)です。私は15~16歳で阿佐田哲也さん原作の「麻雀放浪記」を映画で観て「大人ってカッコイイ」と、友達と麻雀牌とマットを買い、こたつ天板を裏返して真似から始めました。その時代は、こたつ天板の裏地はフェルトでトランプ、花札、麻雀などのゲーム仕様でしたね。(子供向けに「ドンジャラ」というドラえもんの麻雀を模したゲームもあって、小学生からそれには触れていました。そういえばあの時代は、今じゃ倫理上の懸念でありえないだろうシガレット型ガムとか、大人の真似商品が多かったなあ)

麻雀をたしなむ方はお解りだと思うのですが、麻雀は心理、戦略、そして「運」で成り立つゲームです。同じ状況下においても、その局面を「どう感じるか」は人によって異なり、「どういうアクションに移るか」も千差万別。だからいつまでも成長に終わりのない娯楽として、老若男女に愛されているのだと思います。最近ではベンチャー企業などが新卒採用の手法に麻雀を用いたりして、かつての博徒感よりもホワイト化しているのは事実だと思います。私も会社員時代に辞令で人事部長から営業部長に異動内示を受けた時に、社長からの第一声は「お前の麻雀の打ち方は人事部長のそれではない。そのアグレッシブさで、落ち込んでいる利益を上げてくれ」という、ポカンと口が開くようなものでした(笑)。ただ確かに、20代の頃から、背伸びして役員を相手に卓を囲む経験をしていたのは、度胸と、先輩方の洗練された姿勢や生き様、マナーを覚える「虎の穴(これも古いけど)」のような鍛錬、学びの時間だったに違いありません。



さて、そろそろ本題テーマの方に。評価者を長いことやっていて思ったのは、例えば自分が人事部門や役員などの立場で、第三者として社員面談をやると、多くの人から「自分の評価をする人のこと(上司)」「自分と同じ等級の人との比較のこと(同期とか同年代)」の話が出てきます。

上司の話で多いのは「私のことをちゃんと見てくれない」という平等性が欠落している指摘や「性格が合う合わない」のような話です。

同年代系の事例だと「〇〇さんは良い環境にいる、私だって頑張っているのに」とか「私にはチャンスが回ってこない」とかの不満系が多かったり。

このいわゆる「なんで私だけ」みたいな叙情的な思考の人って、麻雀をやってみることをお薦めしたいです。


なぜなら、チャンスは全員にあり、間違いなく全員の前を幾度となく通過していることが麻雀では如実に分かるからです。よく言われる「チャンスは与えられるものではなく、掴むものだ」ってやつですね。

待っていても来ない、自分から掴みに行け、と理解する人もいるかもしれませんが、私は「待っていても来る」と思っていまして、【気づくか気づかないか】の差と思います。そして気づきさえすれば、多くの人は掴もうとまではします。そこで失敗して諦める人、内省して再挑戦する人の違いは出ると思うのですが、先に述べた「なんで私だけ」の人は「気づかない」人なのですよね。

スルーしていることを自覚していないから「自分だけにチャンスが無い」と勘違いしていることが殆どだと思います。


 

って、ここまで書いていて「結局何が言いたいんだよ」と言われそうな気がしてきたので、今回はマネジメントや評価に関わる人、いや、組織で働く全ての人に書籍を推薦することにします。

 

ツキの正体 桜井章一著 (幻冬舎)


 

某メガベンチャーの社長さんとも共著を出していたりしますが、桜井氏はいわゆる雀鬼なのですけれど、クランボルツ好きな自分としては、プランドハプンスタンスとの親和性もあると思っています。

書評を引用させていただくと以下のようにあります。

【確率やそこから導かれる期待値は、科学の分野である数学で以って考察することができるが、人智によって左右することが出来ないと思われている運やツキも、自らの心構えや生き方で如何様にも操ることが出来ることを述べているのが本書である】


 

まさにプランドハプンスタンス的な見解でありますが、桜井氏が麻雀の打牌ミスを引用し述べているのは「麻雀も人生も選択の連続、無数の選択の中には、間違いだってある」「人生は失敗がつきもの、大切なことは修正力であり、如何に良い流れに戻していくか」と、最近よく聞くレジリエンスを説いています。

 

自分で選んだ結果を受け入れ、良い流れへ戻す努力を惜しまなければ選択に迷いがなくなり、恐れなくなる。なぜなら、失敗しても修正していけばいい、という自信が生まれるからである。そしてその修正力は、トラブルに立ち向かい、良い流れを創り出すための原動力となる。


 

このコラムを読んでいただいた皆さんご自身もそうですが、部下や後輩や若手社員の方に、キャリア系の推薦図書としてオススメです。就職活動中の学生の皆さんにも参考になるかな。
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