創業物語 プロフィール
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  第47話    「社名、しゃめい、シャメイはどうする!?」 2001/7/02  
1997年11月初旬。

会社の設立日をいつにするか?
大株主のKさんにも相談したところ、1日でも早い方が良いという。

ボクも会社を作ると決心した以上、今の会社の仕事をなるだけ早く引き継ぎ、
スッキリしたいという気持ちになっていました。

いろいろ考えたあげく、設立日(銀行への資本金払い込みの翌日。法務局への
登記日)は、「イッチニイッチニ」の12月12日にしよう!ということにな
ったのでした。

H社の社長にも、12月いっぱいで会社辞めて、新しく会社を作りたい旨を、
話しました。

H社の社長は、大企業からリスク覚悟でスピンアウトした人間なので、ボクの
独立には十分理解を示してくださり、結果的には、同意してくれたのでした。
(まー、その後いろいろスッタモンダはありましたが…)

心配された資本金も、どうにかこうにか1000万円調達のゴールが見えてき
たのですが、実はもうひとつ先送りにしてきた問題が残されていたのでした。

それは「社名」でありました。

フツー、会社を作ろうなどという奴は、最初から社名を考えているものでしょ
うが、ボクの場合、まったくのノーアイディア。

会社設立に向けて、定款だとか、発起人議事録だとか、株式申込証だとか、実
に様々な書類を作らなければならないのですが、すべてに於いて社名は、当然
必要となります。
もちろん社名が決まらないと、あらゆる法的な書類に必要な、会社の実印すら
作れない!

書類作成期限まで、さほど猶予がないというのに、「これだ!」という社名が
浮かばない。

ぜんぜん案がなかったかというと、そうでもなくて、いま思い出しただけでも
恥ずかしくなるような、変な社名は、頭の中に浮かんでは消え、消えては浮か
び…。
ちょっとしたスランプに陥っていたのです。

「社名も考えつかないなんてなー。オレ本当にやる気あんのかな…」

そう思いながら、夜、ひとりで地下鉄に乗りこんだボクのあたまの中に、ある
名曲が突然流れてきたのです。

「♪Puff the magic dragon lived by the sea, and frolicked in the
autumn mist in a land called Honahlee…」

1960年代、アメリカのフォークシンガー、P.P.M(ピーター・ポール・
&マリー)が唄った、その名も「Puff(パフ)」という曲でした。

「Puff」とは、歌に登場する主人公で、子どもたちが大好きな、いつも一緒に
遊んだり冒険に出かけたりする「魔法の竜」の名前だったんです。

どうして、こんな歌が浮かんできたのか…?

原因は不明なのですが、ともかくもその時のボクは目から鱗が落ちたように、

「そうかー…。『パフ』っていうのも悪くないなー。
  魔法の竜ということは、いままで運営してきた『登龍門』にも通ずるところ
  もあるしなー。
  若い学生相手の仕事だしなー。それに、なんだか夢があるし。
  おまけに短い社名だから、判子代も安くて済むし、覚えてもらいやすい」

と、もはや、これしかない!という勢いだったのです。

帰宅して、女房と娘に社名の報告。


クギ : 「決まったよ!社名」

娘ら : 「え?何にするのー♪」

クギ : 「パフ」

娘ら : 「パフ~?なにそれ?パフやだ、パフやだー!」

クギ : 「えー、そんなこと言うなよ!もー決めたの!」

という思わぬ身内からの反対があったものの、他の支援者のみなさんの評判
は概ね良好で、新会社の社名は 『 パフ 』 ということで、様々な書類作り及び
印鑑の発注が始まったのでした。

さーって、あとは、あー!オフィスどうしよう?机も椅子も必要だし…。


                ( キミキミ!事務所も決まってないの?…つづく)

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