創業物語 プロフィール
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  第39話    「『登龍門』発進、TVにも出ちゃった!」 2001/5/07  
1995年10月下旬。

「12月1日に登龍門オープン!」と、宣言したまではよかったものの、まだ
なーんにも出来ていないに等しい状況でした。

当時、ボクはもうコンピュータ関係の技術からは一切足を洗っており、実際に
作り込みを行っていたのは、親会社のSE。
組織が違っていたものだから、ボクにはそのSEに対しての直接の指揮命令権
がなく、SEの上司を通してでないと「開発を急げ!」という催促すら出来な
い始末。おまけにボクはその上司とは折り合いが悪くて、なかなか言うことを
聞いてくれない…。随分とヤキモキさせられていました。

そんなヤキモキしていた最中、1本の電話。

「えー、テレビ東京の『インターネットエクスプレス』という番組ですがー、
  御社が今度開始されるという、インターネットの求人情報サービスを、ぜひ
  取材させていただきたいのですがー…」

テレビ番組のディレクターから、取材依頼の電話だったのです。

この電話の数週間前、日経産業新聞にも比較的大きく取りあげてもらったこと
があり、このディレクターは、その記事を読んで電話をくれたのでした。

恥ずかしがり屋のくせに、案外出たがりのクギサキくん。

「どーぞどーぞ、もうぜーひ、取材に来てください!」

と気安く取材をOKしたものの、冷静に考えると、TVが取材するということ
は、現物が出来ていないとお話にならないはず。
しかし…現実には、人様に見せられるものは何一つ出来上がっていない。
しかも…取材日まであと1週間程度しかない…。

「ま・まずい…。なんとか形だけでも整えねば…」

このTV取材依頼がきっかけで、クギサキくんのヤキモキが周囲への迫力に変
わり、SEの開発をはじめ、カタログ類の製作や、プロモーション資料の製作、
仕様の細部の詰め、掲載企業の開拓…などなどが急ピッチで進むことにな
ったのでした。

そして、11月上旬の取材も無事終え、12月1日のオープン日。
幾日もの徹夜を経て、どーにかこーにか、インターネット求人情報「登龍門」
が広くネットの世界に公開されたのでした。

実は、先に取材を受けたテレビ東京の番組『インターネットエクスプレス』、
奇しくも登龍門のオープン日と同じ、12月1日が放映日と決まっていたので
した。

この日は、いそいそと自宅に早く帰り、TVに今か今かとかじりつき…

「おー、出、出たー!」と叫びはしませんでしたが、やや気取った表情の自分
の顔、そして愛着のある登龍門の画面がブラウン管一杯に映った時には、感無
量だったですね。ホンの数分間の登場だったのですが、かなり長い時間に感じ
ました。

そして、TV放映が終わった直後、意外な人からの電話。

「やー、クギサキ君、おめでとう!TV映りなかなか良かったじゃない!
  これから、なんとかビジネスになるようにガンバロウな!
  いやー、よかったよかった、おめでとう」

電話の主は、このネットのビジネスをやろうと言い始めた、H社のK社長だっ
たのです。

この物語の文章では語り尽くせないような苦労がたくさんあっただけに、この
社長の電話は、正直、嬉しかったですねー。

このTV放映の日から3年間、ボクは登龍門の運営責任者として、過ごすこと
になるのでした。

しかし…。

                                            (なんだ…?つづく)

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