創業物語 プロフィール
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  第36話    「適性検査と人事情報システム、そして…」 2001/4/16  
H社入社し、ボクは約7年ぶりに人事を対象にした仕事に携わることになりま
した。

当時のH社は、適性検査の企画・開発・販売を細々と行うだけの会社で、社員
も心理学の先生を含め3名のみ。親会社のR社は100名ほどの所帯でしたか
ら、ほんとに小さなひとつの「課」みたいなものでした。
しかし、小さい会社とはいえ取引先企業は100社を越えており、売上げや利
益もなかなか底堅く、やり方によっては大きく成長する可能性を持った会社で
した。

結局ボクは、この会社で29才~37才までの足かけ8年を過ごすことになる
のですが、この間、様々な人事向けの営業・商品開発に携わりました。
まず最初に手がけたのが「人事情報システム」の企画・開発でした。
従業員の様々な属性管理、履歴管理をPCで簡単に行うためのシステムなので
すが、当時はオフコンの高価なものしかなく、我がH社が開発したPCベース
のシステムは比較的、世の中に広く受け入れられました。
大手航空会社のZ社に、パイロット管理や整備士管理システムとしてかなりの
高額で導入されたこともありました。
売れている反面、バグも結構多いシステムで、企画と営業の最前線にいたボク
は、かなり胃の痛い思いもしましたが、自分の発案で生み出された商品でもあ
り、思い出深い商品です。

次に手がけたのが、「基礎能力検査」です。
SPIのことは、この物語をご覧のみなさんはよくご存じだと思いますが、そ
のSPIの基礎能力(算数と国語)部分に相当する検査で、時事問題などの一
般常識や英語能力なども組み合わせたものを開発しました。
ボクが出題内容を考える訳ではなかったのですが(問題は外部の専門家が考え
ます)、全体の設計やコンピュータシステムの構築、営業のためのカタログ作
り、年度ごとの標準得点のメンテナンス、出題内容のチェック、商品化の前の
予備検査の実施等々、相当に知力と体力を使う仕事でしたが、30代前半だっ
たこともあり、どうにかこうにかやれた仕事でした。

そして、ボクが34才の時。

H社の社長の社長室に呼ばれ、

「クギサキくんさ、最近インターネットの話題を、ちらほらと耳にするんだけ
  ど、インターネットで求人情報を提供するビジネスなんてどう?」

と尋ねられました。
ボクは正直言うと、「インターネット」なるしろものを、この時まで全然承知
しておらず、

「さ・さぁー、まだまだ世の中に受け入れられないんじゃないっすかね…」

と消極的な答えをするのみでしたが、まさかその後、この話が急転回し、ボク
の後々の人生までも変えてしまうとは、この時はまったく思ってもいませんで
した。

                          (やっと最終回が見えてきたぞ。…つづく)

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