創業物語 プロフィール
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  第34話    「初めての転職活動」 2001/4/02  
1990年5月。
社会に出て7年目。それまでにも、いろんな壁や困難な状況はあったのだけれ
ど、この時ほど、「得体の知れない」焦燥感に苛まれた日々はありませんでした。

「と、とにかく、この場所を離れなきゃ!自分がおかしくなっちまう!」

当時の直属の上司であった部長に辞表を提出し、少しは気が楽になると思いき
や、今度は、自分の将来に対する「得体の知れない」恐怖感に襲われるように
なったのです。
この「得体の知れない」焦燥感や恐怖感ほどやっかいなものはなく、底なしの
沼に吸い込まれるような日々でした。

一方で、辞表を受け取ったM社は、役員クラスの方々が日替わりでボクのとこ
ろに訪れ、とても熱心な慰留をしてくれました。
実質的なNo.1からは、高級な料亭で「頼むから辞めないでくれ」との説得
をされ、「こんな若輩者に、この会社はそこまで期待してくれていたのか」と
正直言って、相当心が揺れました。

しかし…。どうしても、その会社に残って生き生きと働く自分の姿が想像
できない。様々な心の葛藤を経て、やはり自分は辞めるしかない、と最終的に
はそう決意し、当てのない「転職活動」を開始することになったのです。

S社→M社への転職経験を持つボクでしたが、その時はスカウトのため、自分
で履歴書すら書いた経験がなく、実質的に今回が生まれて初めての転職活動で
した。

会社(M社)には、引継が終了する1ヶ月後を退職日として宣言したため、30
日以内に次の会社を決めないと「ぷー太郎」になってしまうわけで…。
リクルート時代やS社で採用担当をやっていた時は、偉そうに「就職」につい
て語っていたくせに、いざ自分の就職になると、からっきしダメで、なかなか
自分にとって相応しい会社を探し出すことができずにいました。

なかなかこれといった会社が見つからず、途方に暮れていたある日、書店で買
ったB-ingを読んでいると、とあるソフトメーカーの求人広告が目に飛び
込んできました。F-1のレーシングカーをあしらったその広告。
なぜか親しみを覚え、受けてみようかな…という気持ちになったのでした。

季節は、もう初夏。
釘崎青年、汗を書きながら履歴書と職務経歴書をまとめはじめていました。

                                      (がんばれ!転職!…つづく)

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