釘さんの100の出会い プロフィール
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  <第140話> 「コラムに書けなかった幻の社員たち(前編)」   2007/09/18  
 
新卒一期生から新卒四期生まで。パフに新卒で入社してきた社員たちのことを、 13週間、3ヶ月以上に渡って書いてきた。

この13週間。執筆のたびに彼らが入社した当時を思い出し、しばし懐かしい気 持ちに浸らせてもらった。

あとは五期生(2名)と六期生(2名)の4名を残すのみとなったのだが、ち ょっとその前に書いておきたいことがある。

それは、パフに入社しなかった(あるいは入社後間もなく辞めてしまった)幻 の社員たちの話だ。

彼らも、一時はパフで頑張ろうとしていた仲間たちである。実名での紹介は出 来ないにしても、このコラムに彼らの足跡を残しておきたいと思う。


・・・・・


新卒一期生の内定者で、内定者研修の直前に辞退をした学生がいた。名前をY さんという。7年以上も前のことだが、Yさんのことは今でもよく覚えている。 独特な雰囲気をもった、とても優秀な学生だった。

Yさんがパフを辞退して就職した会社は、パフと同業界のA社。内定者研修の 数日前、A社のN専務(現在の副社長)から僕あてに、仁義を切るための電話 があった。

「釘崎さんスミマセン。Yさんを、うちの会社にいただけないでしょうか……」

A社は、当時設立10年目くらいのパフよりも大先輩の会社。N専務とは以前か ら面識があったが、とても腰の低い人であり、好感のもてる人であった。その 人から仁義を切られたのでは、諦めるしかない。Yさんも悩みに悩んだ結果、 A社に決心したという。

A社が急成長しだしたのは、ちょうどその翌年からだった。その原動力として、 Yさんは大いに活躍したらしい。同期はもちろん、多くの先輩をごぼう抜きに して、現在、A社の幹部を務めているという。

まさに「逃がした魚は大きかった」という言葉がぴったりのYさんだった。

・・・

新卒三期生の内定者で、入社直前に辞退した学生がいた。名前をNさんという。 Nさんはパフに入社せず、就職浪人することになった。

そして一年後、某大手証券会社に入社。入社直後、僕のところにも挨拶しにき た。そしてちゃっかり、その証券会社への口座開設を約束させられることにな った。Nさんはとても熱心な営業ウーマンだった。

現在は、この証券会社を辞め、まったく違う道を歩き始めていると風の噂に聞 いている。

しばらく音信不通の状態が続いているが、ひょっこり近況報告に訪れてくれな いものかと思っている。

・・・

前回と前々回のコラムの主役だった四期生のヒラハラとタシロには、実はもう ひとりの同期入社の社員がいた。名前をS井という。

S井は、本当に「一生懸命」な男だった。「なんとか頑張りたい!」という気 持ちが溢れる男だった。自ら志願して大阪事務所での勤務を希望したのもS井 だった。しかし、僕が大阪に様子を見に行くと、いつも辛い顔をしていた。僕 は大阪に行くたびに、彼を元気付けるために「焼肉でも食いに行くか!」と誘 っていた。一時は毎週のように食べに行っていたのではないだろうか。

しかし、入社から丸一年が経ったころ、S井は僕に「辞めたい」と言ってきた。 すでに、引き止めることができない状態だった。いろんなことを考えて考え抜 いたうえでの結論だったんだろうと思うが、とても残念だった。

現在は、有名な某アパレルのお店で、正社員を目指しながらアルバイトとして とても元気に働いているという。

早く自立して、僕の前に「どんなもんだい!」と元気に現れてほしいと思う。 そして、大阪でさんざんご馳走した焼肉のお返しに、ラーメンでもおごっても らえたらなあと思う。

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ということで、今回は、幻の社員たちの紹介、前編。

・幻の一期生:Yさん
・幻の三期生:Nさん
・幻の(一年間はリアルだった)四期生:S井くん

の3人の紹介でした。※特別編につき、出会いのカウントはなしにします。
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