釘さんの100の出会い プロフィール
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  <第104話> 「三つの社名のお付き合い。東芝テックのHさん(後編)」   2006/12/18  
 
時はミレニアム。西暦2000年の初秋の頃のことだった。東芝テックの新卒者採 用も終盤に近づき、あとは内定者をいかにスムースに新入社員として迎え入れ るか、ということにHさんたちの関心は移っていた。

このときの東芝テックの新卒者採用は、Hさんのほかに、ふたりのIさんがい た。ふたりのIさんというのはIGさんとIJさんだ(IJさんは『やじ将軍』 と後に呼ばれるようになる。パフのイベントの打ち上げで、しょちゅう大声で ヤジを飛ばしていたからだ)。

この、Hさん、IGさん、IJさんの3人から、とある相談を受けた。場所は、 当時神田にあった東芝テック本社の会議室。

「クギサキさん、これからの時期、内定者のフォローをしっかりやるための仕 組みを作りたいんだけど……」

この日の、このひとことをきっかけに開発したシステムが、『内定者コミュニ ティシステム』だった。

内定者と人事だけが利用できるクローズドな掲示板システムで、内定者にも人 事にもとても重宝してもらった。

「これは便利だ!他の会社でもこれなら使ってもらえるんじゃないか?」

そして翌年、商品化したのが、パフ内定者コミュニティシステム(PNC)だ った。新卒採用を行っている会社であればどこでも使ってもらえるよう汎用化 し、自社のオリジナリティが出せるよう、デザインカスタマイズが容易にでき る仕組みにした。

当時はこのようなシステムを販売している業者はどこもなく、パフが売り出す やいなや、多くの企業から引き合いがあった。商品が乏しかったパフにとって、 救世主のようなシステムに育っていった。

このシステム(PNC)を世の中に送り出してすでに丸6年。導入企業は累計 で、なんとのべ500社を超えた。

このPNCの類似品が、今では数多く出回っている。大手のリクルーティング 会社を始めとして、教育研修会社、Webシステム開発会社などで商品化され ており、全部あわせると数十種類以上にのぼるのではないかと思われる。

しかもどのシステムも、PNCを参考にして作ったと思われる仕様だし、料金 設定もPNCを意識したものになっている。我々が先頭になって、ひとつの市 場を創り出したといえるわけで、たいへん光栄なことだと思う。

でも忘れてはならないのが、このPNCを生み出せたのは、東芝テックのHさ ん、IGさん、IJさんの存在があったからこそ、ということ。パフが創業し たばかりのころ、Hさんが、パフにホームページ作りを任せてくださったから こそなのだ。

つい先日、このコラムへの掲載許可をもらうためにHさんと電話で話しをした。 3、4年ぶりくらいだったろうか。実に久しぶりの会話だった。

「いやー、私はそんなに感謝されるようなことは何もしてないし、恥ずかしい から実名での掲載は勘弁してくださいよ。イニシャルでの登場ということで何 とかお願いします」

Hさんは人事採用の仕事を離れた今でも、パフのメルマガやコラムをよく読ん でくださっているそうだ。昔ながらの、はにかんだ喋り方がとても懐かしかっ た。

ということで、68番目の出会い。東京電気、テック、東芝テックという三つの 社名で10年以上のお付き合いをしてきた、はにかみの人事採用担当者、Hさん でした。
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