自転車操業物語 プロフィール
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  第62話    「学生を一喝したメンバーメール」    
2000年6月6日午後1時少し前。

パフ初めての、新卒採用に向けた「会社説明会」の開始時刻まであと少しだ。

この日の参加申し込み人数7名。パフの会議テーブルに座れる最大人数だ。

「さて、学生が来たら、どんな顔で出迎えようかな♪
社長らしくキリッとした顔かな。それとも、やっぱり笑顔がいいかな…」

などとノー天気に学生が来るのを心待ちにしていた。


午後1時になった。


……。

こない。

誰も来ない。

1人も来ない。

10分たっても、20分たっても、30分たっても来る気配すらない。


総務を担当しているマルヤマに「学生から欠席の連絡ってあった?」と
聞いてみたが、何の電話もないという。


この年、インターネットでの説明会予約が、リクナビの普及などで学生の間
ではごく普通に行われるようになっていた。

それまでは、電話での予約が普通であったのが、ネットだけで手軽に行える
ようになった。たいへん便利であるには違いない。

しかし、ネットは顔が見えない。
会話がない。
無断欠席しても責任を感じにくい…。

実は、無断欠席を嘆く企業の人事担当者の声は、ボクも良く知っていた。
「けしからん!」と思っていた。

が、パフ自身の会社説明会(しかも極少人数で行う説明会)に、まさかまさ
か、「無断」で欠席する学生がいるなどとは思ってもみなかった(無断欠席
する学生がいる…などというノンキな話ではない。「全員が無断欠席」だっ
たのだから)。


まさに「ウチの子に限って…」という哀れな親バカと同じ状態である。


これじゃいかん。こんなじゃ世の中ダメになる。
ボクは、この週のメンバーメールに、意を決して以下のような文章を載せた。

============
(前略)

> 無断欠席した人たちは「パフなら許してくれる」とでも思ったのでしょうか?

> 今回の出来事を通じて、人事担当者の嘆きが実感できるようになりました。
> また、学生の皆さんのことが、否、皆さんが作り出すであろう日本の行く末が
> 本当に心配になってしまいました。

> 今就職活動を行っている皆さんに(パフに限らず堂々と無断欠席を繰り返す
> 多くの諸君に)、厳しく忠告します。

> 「来年から社会に出て働く気持ちがあるのならば、無断欠席はするな!」

> どんな理由があるにせよ、人と人との約束を無断で破るような行為は最低の
> 行為です。

> ずいぶん以前のメンバーメールでも無断欠席する学生に対して忠告しました
> ので、これが2度目の忠告になります。猛烈に反省してください。

(後略)
==============

翌日から、すごい勢いで、学生からの感想メールが舞い込んできたのだった。

(どんな感想メール?…つづく)

 
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