STAFF COLUMN

スタッフコラム

どうせおしゃれなサンドイッチを食べるならかわいい女子とがいい~第一話~

作成日:2026.3.16

「てかなんで俺ら男2人でこんなかわいいサンドイッチ食べとんのや」

それはそうだ。全くもって同感である。遠慮のない三河弁を喋る彼は私の同期である草深だ。
彼は180センチほどある体格の良い男で、正直その手に握っているカラフルなサンドイッチよりも
レンゲを使って炒飯を豪快に食べている姿の方がよく似合う。

「せっかくなら可愛い女子と食べてぇわ」

そう返して、またサンドイッチを齧る。
幾重にも重なった瑞々しいレタスと、
元気が出そうな赤さのトマト、
一人暮らしの男子は絶対買わないであろう紫色のキャベツ、
自分で作ってもこうはならないしっとりさの鶏むね肉とハニーマスタードソース。
美味しいことは美味しいのだが食べるのがなかなか難しい。

「これ女子はどうやって食べるんだろうな、めっちゃこぼすんだけど」

断面の見栄えと店構えからして女子向けなのは確かなのだが、
大口を開けて食べなければならないこの分厚い断面が
かわいい女子とどうにも結びつかず、目の前の草深に問いかけた。

「ん、まあ、、、、食べるんだよ!」

大した答えは出てこなかった。
別に納得のいく答えを期待をしていたわけではないが、
朝からスーツ姿の男2人がおしゃれなサンドイッチをかわいいカフェで
2人向かい合って頬張っている姿はどこか特定の層に需要があるのではないかと思う。
、、、、いや、思わない。

 



なぜこんなことになっているかと言うと、珍しく同期2人で出張にアサインされたからだ。
数年前までは出張となると基本的には先輩についていっていた。いわゆる勉強同行だ。
それが我々もとうとう5年目、ついに同期でも出張を任されるようになったのか、、、
はたまた、頼れる石上先輩が産休に入ってしまったが故の人員不足で致し方なくアサインされたのか、
真意は不明だけど同期と出張なのは気が楽で良い。

前泊するほどではないがそこそこ朝早い新幹線に乗る必要があった為、
朝メシ抜きで新幹線に乗り、こうして目的地付近で腹ごしらえしているわけだ。
2000円を超えるサンドイッチを食べてしまったことにうっすら後悔しつつ、
お腹いっぱいなこととその美味しさで自分を納得させて店を出る。

今回の出張の目的は草深の担当している企業の合同説明会の運営支援だ。
学生の頃は合同説明会のブースに立っている人は全員もれなく社員だとばかり思っていたけど、
実際はこういう業者も紛れ込んでるとは。

「合説ねぇ、、」
「なによ」

僕の呟きに草深が反応してくれる。

「いやさ、この合説もなんだかんだ100万近くするわけじゃん。しかも学生数は減ってんのにやる意味あんのかね」
「そりゃまあそうだけど、学生と出会えることは確かだし、初手から対面で会えるのは強いだろ

近年の新卒採用市況はこれまでにない厳しさだ。
一見少子高齢化が原因に思えるが、実は学生数自体は横ばいらしい。
学生の進学率が上がっているから子供が減っても大学生の数は減ってないのだとか。

個人的な感覚としては、
学生の就活手法が多様化したことでそもそも出会いづらくなっていること、
手法が多様化したことで企業側も今まで以上にいろんな学生にアプローチしていること、
手段が多様化しすぎた結果、学生が自分の知っている会社ばかり受けてしまうこと、
この3つが起きていることが原因なんじゃないかと思う。知らんけど。

企業は採用に散々お金をかけているのに、
そのお金は若者その人には直接届かず、中間業者に取られている現状はなんとも皮肉だ。
そしてその若者は社会保険料の値上がりで給料は増えてるはずなのに手取りはそこまで増えていない。
高度経済成長期にできたであろう社会システムに歪みが生じ始めているんじゃないかと思う。と一丁前に考えてみる。
そうこうしているうちにブースに着いた。

「おはようございます!」

爽やかな声が聞こえてきた。
今日手伝うブースの中谷工業の採用課の中山さんだ。
私は中山なので谷の御社とは相性バッチリです!という自己PRで役員層の心を鷲掴みにした、らしい。
もちろん本人談だ。

「おはようございます!」

僕と草深も中山さんの爽やかさに応えるように気合を入れて返事をする。

「おはようございます。」

採用メンバーの古橋さんも返してくれる。
優しい雰囲気の女性だが、合説は苦手意識があるようで少し表情が固い。
いそいそと挨拶を終えて、リュックを下ろして準備に加わる。合説のブースはほぼ出来ていた。
地方では知られてないことはないのだが、地元の銀行や東京の名の知れた企業には同士でも見劣りしてしまう。
それは採用予算としても、だ。

そんな予算のない中でも今回わざわざ合説のフォローを発注を決めたのは、
運良く大手ナビサイトの合説の抽選に当たったことと、
それに出てしまったが故に他に予算を回せないからここで集客し切るしかないのだ。
パフとしてもかなり金額調整したし、草深に至ってはあくまで営業フォローという体で来ている。
とにかく今回の支援に入るからには確実に学生を集めなければならないのだ。

「草深さん、笠原さん、今日の合説はよろしくお願いします!まぁじで僕の会社員生命かかってるんでッ!」

中山さんよ、会社員生命かかってるわりには爽やかすぎないかい。

「ンモゥやっちゃいましょう!」

草深よ、会社員生命かかってることに対して軽すぎやしないかい。

まあでも実際、合説運営はノリと勢いが欠かせない。
全然名前も知らないベンチャーみたいな不動産会社がやたら人を集めている光景なんてほぼノリと勢いのおかげだ。

 

「中山さん、このバナーちょっとずらして良いですか?」

草深が問いかける。

「え、良いですよ?てかなんでですか?」

「いやこれ、導線があるんで」

草深が気にしてる導線というのは会場そのものの導線だ。
学生は当たり前だけど入口の方から入ってくるから、バナーを立てるなら入口の方に向けるのがセオリーだ。
無事ブースのセッティングも終わり、中山さん、笠原、草深の3人で呼び込み、
古橋さんがプレゼンをするという体制で進めることになった。

呼び込みというのはいわゆるキャッチで、
ブースの目の前を通りすぎる学生をどうにかこうにか自社ブースに呼び込む役割、
合説運営では欠かせない。中山さんからの指示で呼び込み3人にしたがちょっと多くないか、、、?
目の前を通り過ぎる学生は多い。
特にこの朝イチの時間はよほど行き先を決め込んでいる学生以外は割とすんなり話を聞いてくれる時間帯だ。
逃すわけにはいかない。果たして学生はブースに来てくれるだろうか、、、

「いやぁ~合説ワクワクしますね!こういう文化祭みたいな雰囲気好きなんですよね」

中山さんは機嫌がよい。

まあ確かに中山さんみたいにバリバリ体育会系でした!
みたいな人には合説のお祭りみたいな雰囲気は性に合うのだろう。

「お疲れ様で~す。」

同じ合説に出ている担当企業に挨拶しに行っていた草深がブースに戻ってきた。

「なんかやっぱ最近どこも合説厳しいらしいですね。」

それもそうだ。確かに自分の担当企業も前に出た合説でほとんど学生が集まらず、
主催企業から謝罪と補填策の提案があったと言っていた。

「じゃ~なおさらがんばんないとですね!」

入口付近には学生が溜まってきている。いよいよ合説が始まるようだ。

次回に続く
注:登場する人物、および社名はすべてフィクションです。同名の人物や企業とは一切の関係がございませんのでご承知おきください 

あとがき
こんにちは、パフの笠原です。
このスタッフコラムはパフ社員が持ち回りで書いているのですが、割と何書いても良いんですよね。
試しにどこまで何しても良いのかちょっと試してしまいたくなりまして、
今回は小説風にしてみました。多分第三話くらいで書き終わると思います。
話自体はフィクションですが、草深とかわいいサンドイッチを食べたのは事実です。
実はこの小説は大人版の進研ゼミの漫画みたいにしてみたくて、
ということはつまりチャレンジ⚫︎年生的なやつもあるわけです。
それがこちら。

【有料・公開型】採用担当者トレーニング 合同説明会での学生呼び込み編 | よいさいよう:株式会社パフ

合説呼び込み講座なんてものを作ってしまいました。

中谷工業の合説。果たして上手くいくんでしょうか?

次回もお楽しみに!

 
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