STAFF COLUMN

スタッフコラム

採用計画とは?自社の採用カルチャーを創造すること

作成日:2023.12.13

「いま採用するのに手一杯で、未来のことなんて考えられませんので結構です」


これ、人事の方に言われて、メチャクチャ悲しくなる言葉です。私、色々な業務をしておりまして、人事の皆さんに営業もしています。ミスターDの覆面の下、知っている人事の方も少なからずいるので、変なことも言えないかもなんですけど、まあそれを言うのがミスターDという人間、ということでご容赦を。

 

今は2023年12月。そうなんです、日本で多い3月決算の会社にとっては「予算組みの時期」。人事の皆さんも色々なしがらみもある中で、頭を悩ます時期ですよね。このコラムを読んでいただいているのは、多分人事系の方が多いと思うので、釈迦に説法な話ですが、採用に縁遠い方の為に書きますと。今、人事の皆さんが予算組みするのは「2026年卒採用に向けて」が大半を占めます。なぜなら、来期予算(3月決算の場合)となる2024年4月以降の新卒採用活動は6月から「2026年入社の方向けの活動」になるからです。当然、2025年卒向けの活動も並行である可能性も十分あります。よって、この2023年12月に考えていることは2025年または2026年入社の皆さんの為に、なのです。



ちょっと採用実務の話から脱線しますけど、私は組織に勤務していた時は、人事以外の仕事の責任者も経験しましたが、プロダクトアウト型の商品設計をしていました。実際に市場に出るのは1年半から2年後の商品を企画したり、会議の中で商品化のOK/NGを判断していたのですが、このスピード重視のご時世&リスキリングが叫ばれる風潮では、手法の見解も分かれると思います。

・刻一刻と変化するデジタル社会で、目の前のマーケット動向から高速PDCAで考えるべき


・未来創造は、目の前から考えるのではなく「方向性を創造」するべき


私の任務は、完全に後者に重きを置いていました。かっこよく言えば、時代を追うのではなく、時代を創っていく使命感ですね。ニュースなどでファッションショーのパリコレをご覧になったことがある方は多いと思います。あれ、ランウェイを歩くモデルさんの服、凄くないですか。あの格好で街を歩いている人はいないと思いますが、じゃあ、あれって何なのか? 概要的には「高級服コレクション」なんですが、古くからのオートクチュール(高級仕立服)全盛から、世界が反戦や左翼傾向に流れ、ロック音楽なども生まれ文化の潮流が変り始める1970年代に、パリコレ=ファッションは先鋭的なプレタポルテ(高級既製服)に本格的に移ると、あの尖がった、未来人みたいな服を手足の長いスレンダーモデルが着て歩く感じになったのです。

それって何かというと「トレンド発信」なんですよね。

言葉どおり【こういう動向になっていくよ】という「匂わせ」なんです。デザインや色など、今後、こういう風に流れていきますよー、というファッション業界の舵取り(数歩先の感性)みたいなものです。その影響力のあるブランドに注目が集まり、数歩先の感性の服だとマニアックすぎるので、そこをヒントにして、大衆(マス)向けの流行り商材(半歩先の感性)が創られていきます。そしてそれがファッション誌、WEBサイトなどで「情報に加工」され、さらには情報を拡散するインスタグラマーなどに移っていきます。

そして、その「半歩先=手の届く憧れ」は消費者の購買意欲へと繋がり、その販売結果を以って、ビジネス戦略が成功したか、失敗したか、となるわけです。

すなわち発信側の仕事で重要なのは「どちらに動かしていくかを考え、ジャッジすること」なのです

更にそれは数年単位で構築され、いわゆる流行の波(繰り返し)=カルチャーを生むというわけです。

人事(採用教育)の仕事は中長期サイクルで勘案されるべき


ということは、いま、

目の前にある仕事は2年後に顧客に渡る商品のことだが、5年後10年後には、波はこう動くはずだから、こういう風に打ち出しておくべきだ、というような思考や議論が繰り返されます。

これ、むちゃくちゃ大変なんですよね。もうある種の「勘」も必要ですが、その「勘」は適当ではいけなくて、仮説に基づいたものになります。これはファッションのみならず、金融商品、不動産商品など多くの業界がこの構造だと思います。そして、HRビジネスもまさにここに該当します。何と言っても企業は「採用したら終わり」じゃないですからね。まず内定から1年以上後に入社する、そして若手時代に業務の失敗も繰り返して成長し、会社に安定利益をもたらすまでの人財育成に、10年かかることなんてザラだと思います。更にはその先の期待値には「経営人財への成長」があるのです。その価値ある人財(原石)を採用するのが人事の皆さんの使命。

すなわち、HRビジネス側は、採用市場や人財育成での自社成功を目指す人事の皆さんに「トレンド発信」と未来を見据えた半歩先目線の提案をするのが使命だと思っています。だからこそHRビジネス側は

「これからは日本もJOB型採用ですよね」とかの流行りの数歩先感覚だけの提案じゃダメ

で(上手くいくはずもない)、いかに人事の皆さんが半歩先の視点になって実務的に稼働し、結果を出せるのか、の観点で創って提案しなければいけません。

そんな長い文章になることを初対面の人に、直ぐに理解をいただくのは難しいのと、そもそも「採用とは、人材とは何か」の基点がずれていたら相互理解は大変。採用業務が「今年、媒体効果は●●でした」とか「何人採れました」だけで考えている方に「戦略的に採用を…」の言葉は通じないのかもしれません。それが、自分たちの仕事の使命を考えた時に、悲しくなる冒頭の言葉です。

ただ、これはどちらが正しい、間違いの話ではないことは補足しておきます。「洋服は着られたらOKで、破れたら捨てればいい、そこにお金をかける必要もない」ということもその人の考えであり、その人にパリコレのトレンドや、巷の流行を話したところで関心もないことでしょう。採用もそう。「人なんて使い捨てで良いし育成も面倒だし、採用してダメなら辞めてもらえばいい」という会社もきっとあることでしょう。その方針を取ることを否定はしませんが、私はそんな価値観の人とは組まない、ということですね(相手もきっと私にそう思う(笑))。

なんか、少し棘がある感じになってきたので、ネガティブじゃない話に戻すとして。私のお客様の多くの企業人事の皆さんは中長期の目線で人財採用を考えていらっしゃいます。その為にはまず、企業経営目線として、経営陣を巻き込むことは必須です。もしも、物わかりの悪い経営陣ならば、諦めて愚痴を言うのではなく、その経営陣よりプロフェッショナルに勉強し、【自分たちの採用方針を構築して】巻き込んだり、論破(納得/理解させる)していくのです。私たちの仕事はそんなプロフェッショナルな人事の皆さんが自信をもって、設計や社内提案できるための情報提供、商材提供を行い、その企業にとってのより良い戦略や「学生との接点づくり=戦術」をサポートしています。

 

人事の皆さん、一緒に良い仕事をしていきましょう。


そしてそれは働く人々(新卒採用は若者)、社会が良い方向に変わり、雇用の波を創っていき、次世代の子供たちに繋がっていくでしょう。人事の皆さんと一緒に採用業務を通して「働くということのカルチャー」を創っていけたら、と思っています。

今回はとっても大きな潮流での話でしたが、この話が出来る為には採用する側に「余裕」が必要です。近い将来に会社が倒産するかもしれない時には、目の前に精一杯にもなるでしょうし、綺麗ごとが全てと言っているわけではありません。どうやっても採用できない現場で、日々、苦しい思いで採用業務に携わっておられる皆さんもいらっしゃるはずです。次回は「とは言っても、採用現場には未来構築だけじゃなく、目の前の結果への高速PDCAだって必要な時もある」のような話題で書けたらと考えています。

予算計画、策定については約1年前にこのコラム

【第2話:経営陣と向き合い、戦略や戦術を考えられていますか?】

https://www.puff.co.jp/column/20230117mrd/ リンク

で書きましたので、もしよかったら、そちらも読んでいただければ幸いです。ではまた来月に。
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