STAFF COLUMN

スタッフコラム

「言葉」について真剣に考える1年にしていきたい

作成日:2025.6.19

こんにちは。パフのタシロです。

 

本日は私自身が「言葉」の大切さをなぜ感じているのか?

そんな話をしてみたいと思います。

 

 

「なんか、モヤモヤするんだよなぁ」

 

今から20年以上前。私が就職活動をしていた時に感じた違和感です。今でも明確に覚えているのは、とある企業のグループディスカッションを対面で行った時のこと。ディスカッションの最中は参加者同士でワイガヤしていたのですが、終わったらすぐに「はい、さようなら」で、無言で各自が帰路に向かっていく。

 

もちろん初めて会った他人同士ですから、馴れ馴れしくするもの違うとは思います。ただ「今日はお疲れ様でした!」とか「●●さん、良かったですよね」のような何気ない会話があっても良いと思うんですね。それが終わった瞬間に他人事。なんだか血の通わないコミュニケーションをしているようで気持ち悪さを感じたことが忘れられません。

私自身、新卒で株式会社パフに入社し、早20年が経ちました。

 

パフは創業時から新卒採用支援を生業とし「顔の見える就職と採用」という一貫した事業ポリシーのもと、事業を営んでいます。これは企業側も学生側も双方が繕うことなく、フラットで本音のコミュニケーションを取ることを表現したもの。こうしたお互いの理性や情緒を重ね合わせることこそが「納得」のいく就職と採用、入社後の活躍と定着につながると考えており、私自身も強く実感しています。

 

採用シーンで対話や本音のコミュニケーションが大切なのは、ひとえに互いの価値観や期待をすり合わせるためです。表面的なやり取りでは見えない相手の思いや背景に触れることで、ミスマッチを防ぎ、入社後の関係性づくりの土台ができます。この対話で重要になるのは「言葉の力」です。

 

私が「言葉の力」を感じている理由。

 

私たちは、当たり前のように「言葉」を使っています。しかし、その言葉が思うように相手に届いていないこと、思いもしないように伝わってしまっていることが、日常に溢れています。また、そのズレが人間関係のすれ違いを生み、信頼の亀裂へとつながってしまうことさえあります。

 

現代社会を見ると、テレワークやオンライン会議が定着し、顔を合わせずに働くことが珍しくなくなりましたよね。私たちは、言葉だけで関係を築いたり、誤解を解いたり、熱量を伝えたりしなければならない場面に多く直面しています。ましてこれからはAIを活用したコミュニケーションも日常となるでしょう。これは本人が本心で表現した言霊なのか、それとも生成された言葉なのかも見分けがつかなくなると思っています。

 

血の通った人間的なコミュニケーションって、なんだろう?

私たちは「言葉の力」とあらためて向き合うべき時代に生きているように感じています。

 

「言葉を交わす」から「言葉でつながる」へ

 

以前なら、表情や雰囲気、沈黙のニュアンスといった「非言語」が補って部分がありました。しかし、画面越しではそれらが伝わりにくくなり、逆に「どんな言葉を、どう使うか」の重要性が一層増しています。単なる情報伝達の手段ではなく、「関係性を編み直す道具」としての言葉。その可能性を私たちは、もっと意識的に活用していく必要があるのです。

 

もう一つ、大切にしたい視点があります。それは、「どんな言葉を使うか」だけでなく、「どんな在り方でその言葉を発しているか」という点です。

 

例えば、同僚を励ましたいと思って「応援しているよ!」と言ったとしても、その言葉に誠実さが伴っていなければ、相手には響きませんよね。むしろ、表面的な言葉はときに白々しく、空虚にさえ聞こえてしまうかもしれません。つまり、言葉を扱うことは、自分自身と向き合うことでもあるのです。自分の立場、意図、感情、願い……そういった内面を自覚し、それを他者と分かち合う覚悟を持つこと。それが、言葉に「力」を宿らせるための前提条件となります。

 

場をつくる言葉、関係をひらく言葉

 

こうした「言葉」の大切さを感じる日々だからこそ、私自身「言葉を極める」というテーマを置いて、自分の考えを残したいと思うようになってきました。

 

ビジネスにおいて「言葉」は、語彙力だとか、説得技術のテクニックだとか、1つのスキルとして捉えられがち。でも、そうではなくて「場をつくる力」として考えてみたい。その言葉が、人と人とを結び、対話の場をひらき、関係を豊かにしていく営みの中核にあると信じたい。そんな思いが沸々と湧いています。

 

例えば、私は学生イベントのファシリテーターを行うことも多いのですが、イベントの冒頭で「この場は、率直な意見を交わし合いましょうね!」と優しく朗らかに言うことで空気感が変わる体験を幾度となくしてきました。その言葉の有無が、空気を柔らかくし、安心して発言しやすい雰囲気をつくることに関係しているのです。反対に「時間がないので、手短に」とだけ言えば、参加者の口は自然と閉じてしまうこともありました。言葉は、場の温度を変え、関係の流れを変える力を持っています。だからこそ、場づくりやファシリテーションを担う人々にとって、「言葉をどう使うか」は極めて重要な問いなのです。

 

現代は、言葉があふれる時代でもあります。SNS、チャット、メール、動画……日々、膨大な情報が飛び交う中で、私たちは「言葉を消費する」ことには慣れてきた一方で、「言葉を交わす」「言葉でつながる」機会は減っているようにも感じます。

 

目の前の相手に、言葉を尽くして向き合うこと。異なる考えに、対話を通じて橋を架けること。自分の思いを、誠実に言葉にすること。それらの営みは、ともすれば「効率が悪い」と切り捨てられてしまうかもしれませんが、そういった一見まどろっこしい言葉のやり取りこそが、信頼や創造を育む土壌になるのです。

「上手な言葉」ではなく「真の言葉」を話そう!

 

人の心を動かすのは、必ずしも完璧なロジックや気の利いたフレーズではありません。不器用でも、誠実に絞り出した言葉、勇気を出して発した一言、相手を想って重ねた問いかけ——そうした「真摯な言葉」にこそ、人は耳を傾け、心を開く。

 

「真の言葉」とは何なのか?

 

私はスタッフブログを通じて「対話」について真剣に考える1年にしていこうと思います。時にやさしく、時に硬派で、時に緩く。お付き合いいただければ幸いです。

 
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