創業物語 プロフィール
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  第42話    「独立決意前夜その2」 2001/5/28  
1997年10月8日、午後9:30頃(時間はかなりあやふやな推測)。

銀座8丁目の「やぐら茶屋」という居酒屋で、かつてのリクルート時代の先輩
ムライさんと久々に酒を酌み交わしていました。


ム : 「なんだ、クギサキ。じゃー、おまえ会社作れよ!」

釘 : 「ま、まーた、ムライさんは他人事だと思って簡単に言いますねー」

ム : 「ちがうって、クギサキ、お前は会社作って、自分でやっていけるだけの
       人間なんだって」

釘 : 「いや、ちがうって、ムライさん。ボクはそんな大した人間じゃなくて…」

ムライさんからいとも簡単に「会社作れ」と言われて、むしろ自分はどれだけ
頼りなく情け無い人間であるかということを、グダグダと説明を始めたのでし
た。

そして…

釘 : 「ムライさんさー、俺ー、兄貴のひょんなコネでリクルートで働きはじめて
       そんでもって、その後、いくつかの会社を転々としてきたんだけど、今振
       り返ってみると、いろんなドラマがあったなー」

ム : 「おー、お前、よく、あの小さな会社に飛び込んでいったよなー…。
       正直言って、ああいう生き方ができるお前がうらやましかったよ」

釘 : 「いやー、無鉄砲というかねー。勢いだけで、何にも考えてなかったんだよ
       なー、あの頃は…」

ム : 「自己分析もなーんにもなかったよな」

釘 : 「リクルートの後、小さなソフト会社に5年、でかいコンピュータ会社に1年。
       そして今の会社に7年…。
       考えてみたら、オレ結構苦労してきたけど、無駄な経験ってひとつもない
       なー。ぜーんぶ、今の自分にキレイにつながってますよ。
       まさに、偶然の産物。結果オーライっていうやつですよ」

ム : 「いや、クギサキ、それは違うな」

釘 : 「え?」

ム : 「結果オーライなんかじゃない。お前がお前自身の力で、結果をオーライに
       してきたんだ。お前は結果をオーライにできるやつなんだ」

釘 : 「はぁー、そ、そうっすか」

ム : 「そうだよ。
       クギサキさー、お前が会社作ろうと思ってるんだったら、迷わず作ればい
       いよ。だいたいお前はリクルートやめて、その、ちっぽけな会社に入った
       ときから、すでに独立してるようなもんじゃねーか。
       そんで結果をすべてオーライにしてきたんだろ?」

釘 : 「そ、そういわれればそうかも…」

ム : 「クギサキさー、やってみろよ」

……

このムライさんの 『 お前は結果をオーライにできるやつなんだ 』 の一言は
ズシーッと効きました。

それまでボクは、いろんな劣悪な環境や修羅場をくぐりながら仕事をこなして
きて、それなりの結果を出してきました。
が、それは、いろんな人たちの支えがあったり、ラッキーが重なったりして出
来上がったもので、自分の実力でやってこれただなんて、これっぽっちも思っ
た事がなかったんですね。

ところが、ムライさんのこの一言で、勇気がフツフツと湧いてきて…。

釘 : 「ムライさん、オレやってみようかな…」

ム : 「おーやれやれ!でもなー、クギサキ、お前が会社を作って成功するため
       には、絶対守らなければならない条件がひとつだけある」

釘 : 「え、な、なんすか?」

ム : 「カミさんへの説得だ」

ム : 「カミさんに誠意を持って独立を説明し、そして許しをもらい、さらには、
       独立を進めるにあたって、カミさんの協力を最大限得ることだよ」

釘 : 「え゛〜〜!」

自慢じゃないけど、クギサキくん、九州男児の端くれであり、女房にひれ伏し
て協力を仰ぐだなんて…。

想像しただけでも、ゾッとしていたのでありました。


                                  (次回、ひれ伏すのか!…つづく)

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