釘さんの100の出会い プロフィール
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  <第126話> 「パフ自身の初めての新卒者採用(その3)」   2007/05/28  
 
当時のパフの募集要項では、ずいぶんとスゴイことを応募者に要求していた。

まず入社の条件のなかで極めつけは、次のクダリである。

『内定後は、週に最低3日以上、研修を兼ねたインターンシップとして勤務す ること。』

研修とかインターンシップといえば聞こえはいいかもしれないが、要するに、 「すぐに働け!」ということを応募の絶対条件にしていた。

そして求める人物像。これもかなり要求レベルが高かった。

『1を聞いて10を知り、100の行動に展開できる人』

『たとえ明日会社がなくなろうとも、一人で生きていけるだけの図太さを持っ  た人』

『目的を達成させるためには夜を徹してでも働くことのできる人』

当局から怒られそうな内容だが、こういうことばかりを他にも「これでもかっ」 というくらいに書き並べた。要するに「パフの仕事は、寄りかかるような気持 ちでは、やっていけないんだぞ」ということを言いたかったのである。

・・・

ちょっと脱線したが、前回の続きを書き始めよう。

「あ、は、はい。私は、ヨシカワアユと申します」

パフの厳しい募集要項を理解していたかどうかはわからないが、何しろ周囲を パッと明るくする雰囲気をもった学生だった。前回も書いたように、この学生 こそが、現在、入社7年目を迎えた吉川安由であり、パフの中で、いちばん最 初に僕の面接を受けた社員である。

そして翌週。

地方学生だけを集めた説明会を開催したのだが、そこに訪れた学生が数人いた。 そのうちのひとり。群馬県からやってきた学生がいた。大学5年生であり、就 職活動は2年目だと言っていた。前の年は出身地である岩手県の銀行から内定 をもらっていたというが、なぜか就職せずに就職留年していた。

「サ、ササキタカノリでございます!」

敬語の使い方が、妙に不自然な男子学生だったのだが、応援団に所属していた ということを聞いて、なるほどと納得した。吉川と同じく、現在、入社7年目 のパフ最古参。佐々木貴智のことである。

この吉川、佐々木の両名が、パフに現存する新卒一期生なのだが、実はあと2 名の一期生がいた。

本人に実名掲載の許可をもらっていないので、フルネームは書かないことにす るが、ひとりは「アサヒ」、もうひとりは「フルカワ」という名前だった。

アサヒは、パフに入社したその年の12月にパフを退職した。フルカワは、パフ に正式に入社する直前の3月に内定を辞退した。在籍していた期間は短かった ものの、7年間をともに過ごしてきた吉川や佐々木にも匹敵するくらいの存在 感のある両名だった。

吉川、佐々木、アサヒ、フルカワ。この4名が、パフの初めての新卒者採用で 僕が採用した若者たちである。

ずいぶんと前フリが長くなったが、次回以降ひとり一話ずつ、印象に残ってい るエピソードを紹介しながら、80番以降の出会いの数を増やしていくことに しよう。
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