釘さんの100の出会い プロフィール
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  <第07話> 「カバゴンとピンキラ 」   2004/12/20  
 
前回に引き続き、小学校2年生のころの話。

2学期の始業式の日。僕のクラスでは席替えが行われました。そのころの小学
校の机は、2席でひと組。となりの生徒とは、かなり接近した位置関係になっ
ていました。

席替えの結果、僕ととなり同士になったのは、「かばやまゆうこ」という女の
子。背が僕よりもかなり大きく(たぶん、クラスでもいちばん大きかったので
は?)、おとなっぽい……というか、男っぽさと色っぽさが混じりあった、不
思議な雰囲気を持つ女の子でした。

僕と「かばやまゆうこ」とはウマが合い、しょっちゅう口喧嘩を楽しんでいま
した。ウマが合うのに口喧嘩…?と思われるかもしれませんが、僕は昔から、
気の許せる人間であればあるほど、口が悪くなるタイプ。しかも、それが気の
ある女の子であればなおさらでした。かばやまさんも同じタイプの子のようで、
ふたりでいつも楽しく冗談を言いながらじゃれ合っていたことを覚えています。

僕が彼女につけたあだ名が「カバゴン」。
何のヒネリもない、どってことのないあだ名なのですが、僕が「おーい、カバ
ゴーン」とおどけていうたびに、彼女の「もぉー、クギサキくんたらっ!」と
笑いながら、ちょっとだけ怒ってみせる横顔がとても可愛く、彼女もまんざら
ではない様子でした。

この頃、流行っていた唄が、ピンキーとキラーズ(略してピンキラ)の「恋の
季節」。『♪わっすれられないのぉ~あっのひとが好きよ~、あっおいシャツ
きてさ~、うっみを見て~たの~』で始まる唄です(このコラムの読者はまっ
たく知らないと思いますが)。

この唄を歌っていたピンキーこと今陽子さんは、当時16歳。
やはり背が高くて大人っぽい少女だったのですが、このピンキーとカバゴンと
が、僕の思い出の中ではとてもダブっています。

『♪よっあけのコーヒー、ふったりで飲もうと~、あっの人がいった~、恋の
季節よ~…』。歌詞の意味など分からなかったくせに、このフレーズがテレビ
で流れるたびに、カバゴンと二人で海辺のテラスでコーヒーを飲んでいる情景
を浮かべてしまう僕なのでした(すっげーマセガキ)。

そんなカバゴン。
3年生になるとすぐに、お父さんの仕事の関係で転校していってしまいました。
そんなわけで、僕の「恋の季節」はあっさりと終わってしまったのですが、カバゴン
の可愛い横顔はずっと心に残っています。

僕の6つめの素敵な出会い。「カバゴンとピンキラ」のお話でした。
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