新卒一期生ヨシカワが、創業者クギさんの卒業に向けて書いたお手紙(全文)注:長いです
作成日:2025.10.23
こんにちは。社長歴5年と1か月の吉川です。
本日は、先日の大岡さんのブログの続きをば。
株式会社パフの創業者、私の初めての上司である釘崎さんが先月、27年と9か月のパフ生活を終えて引退しました。
社内スタッフだけの送別会を実施したのですが、最後に私から釘崎さんに宛てた手紙を読みました。最初の1行目を読んだタイミングから号泣。鼻水をずっと垂らしながら読み上げたかなり内輪ウケの内容ですが、ある意味、パフという会社や釘崎さんのこと、私のことを知ってもらえる内容かもな、と思いましたので、勇気をもって全文を公開させていただきます!
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釘崎さん
まずはひとこと。
パフを創ってくれて、パフを育ててくれて、ありがとうございました!
26年前、就活生だった私は、月島駅に人生で初めて降りました。「なんかこの場所知っている!」という妙な感覚。私は、今日のこの日が来ることをあらかじめ知っていたのかな?と思うと、ちょっと怖くなります。
JS月島ビルのインターフォン越しに「説明会に参りました東京経済大学の吉川と申します」と声を発した大学生の私が、社長として釘崎さんを見送る日が来るなんて。やっぱり当時は想像もできませんでした。
私は元来、おとなしくて、あがり症で、話も下手。どこにでもいる普通の女子大生が、今や会社の代表取締役。誰よりも自分が一番びっくりしています。
それもすべては、パフの採用面接で2時間も自分史を語らせてくれた釘崎さんがいたからです。当時の釘崎さんは、泣いたり笑ったりしながら延々と続く私の話を「へー」「ほー」「なんで?」とずっと聞いてくれました。
「この人には、素の自分を全部見せた方がよい」面接という場面で初めて感じた気持ち。「こういう採用活動って、いいじゃん!」と思えたことが、私の社会人人生のはじまりであり、私が20年以上もこの業界で生きる理由になった。と今さらながら思います。
釘崎さんの背中から学んだ一番大きなことは、「知性」です。
最近読んだ本に「知性とは、知識を生きる力に変えること」とありました。そして「本当の知性には、必ず“笑い”が同居している」とも書いてありました。
債務超過になっても社員を一人も辞めさせず、給料未払いもなく、会社を継続させた生きる力。そんな状況なのに休みの日にはライブをして明るく歌い続ける笑いの一面。
まさに釘崎さんらしい。知性の定義そのものでした。
そしてもうひとつ学んだのは「勇気」。
採用数2名の会社なのに、最終面接に残った5人全員に内定を出してしまう決断も、私が「契約社員になって定時に帰りたいです!」とお願いしたら二つ返事で承認して時給を下げずに雇い続ける決断も。
「まあ、なんとかなるでしょ!」という言葉の奥にあったのは、楽観ではなく、勇気だったんだ、と今ならわかります。
失敗さえ笑いに変えてしまう知性と勇気が詰まった空気づくりを
私はずっと間近で見て学んできたのだと思います。
今回、釘崎さん引退への寄せ書きをお願いしたら、167人の方からコメントが集まりました。
それも現社員だけでなく、元社員、お客様、元インターン、元学生、同業他社、大学の先生、業界の著名人からご家族まで、本当に多種多様な方々からコメント。これも釘崎さんがどんな人にも態度を変えず、フラットに、でも礼儀を重んじて付き合ってきた証ですね。
メッセージの多くに書かれていたのが、「社会人としての基礎をつくってくれた」「採用の礎となる教えをくれた」という言葉。
釘崎さんが「顔の見える就職と採用」に込めた思いと、
その思いを体現した行動が、こんなにも多くの人を育て、
縁をつなぎ、パフというコミュニティをここまで大きくしてきたのだと実感しました。
振り返れば、私は新人の頃から、視座が高く、仕事の成果を出せる、
人への愛情にあふれた人たちに囲まれて育ちました。
普通の女の子だった私が社長になるしかけは、このコミュニティに揉まれたことにあります。今で言うなら、最高に贅沢な「コミュニティ・ラーニング」でした。
こんな場をつくってくれて、本当にありがとうございました。
私はパフに入社して、人生が変わりました。
パフに入社したばかりの私は、本当にダメダメな人間でした。
商談の場でもトンチンカンな営業トークで、最後にはお客様に助け舟を出されてしまう始末。そんな私を、釘崎さんがあきれながらも見守り、信じ、挑戦させてくれました。
入社して3年間は毎日ミスをしてお客様に叱られる日々。唯一の先輩社員は、毎日凹んで泣いている私の席の横を通ったとき「が~んばれ!」と小さなガッツポーズをしてくれました。
初めて担当する就職イベントの準備。夜中まで働いた後、「どうしよう…」と途方にくれていたら、後輩が「ラーメン食べに行きましょう!」と励ましつつ、一緒にコンテンツのアイデアを出してくれました。
創業時のたいへんな日々を助けてくれたのは、一緒に働く仲間でした。
業績低迷時、毎日何かしら起こるミス・トラブルを、いやな顔ひとつせず残業や休日出勤してくれた仲間たち。
採用コンサルという言葉も知らなかった我々が我流でやってきたことをサービスという型として、作り、磨いてくれた仲間たち。
職サークル協賛企業を募るという、(まるでツボを買わせるようなw)営業を真っ直ぐな気持ちで広め続けている仲間たち。
地獄のような日々も天国のような日々も、やっぱり支えてくれていたのは、一緒に働く仲間でした。
「人は人によってのみぞ磨かれる」
釘崎さんが私の新人時代に教えてくれた言葉どおり、私はパフに入社してくれた多くの人たちに救われて、支えられて、今があるのだと思います。
そして、その全ての根底には、釘崎さんの「採用力」があった。
理念を掲げ、理想の採用を世の中に示したからこそ、こんなメンバーが集まってきたのだ。
そう思います。
私はこれから、パフをもっと面白くします。
面白くてためになる会社にします!
「顔の見える就職と採用」を世の中に広め、
「働くこと=充実した人生をつくる場」だと若者にも企業にも、社会にも実感してもらう。
これまで釘崎さんが耕し、一緒に育ててきたパフという庭は、私たちの誇りです。
これからも自然の太陽と水をしっかり吸収しながら、ちゃんと最新の栄養分も取り入れて、清く正しく美しく、もっと豊かで、誇れる庭にします。
引退するからと遠慮せず、これからも庭をつくった庭師として、パフの土壌を定期的にチェックしに来てください。(雑草を抜いたり、肥料を足したりしてくれたら、もっと助かります!)そして、新たにつくったマジックドラゴンの庭でも「パフも、なかなかいい庭になってるじゃん」と我々に美味しい養分をくれたら嬉しいです。
釘崎さん、27年と9か月、本当にありがとうございました。
次のステージでも、これまでと同じように、釘崎さんの背中を追い続けます。
これからもどうぞよろしくお願いします。
2025年9月26日
株式会社パフ
代表取締役社長 吉川安由
※写真は、株主総会を終えた10月上旬に2週間お休みをいただいて小笠原の父島と母島に行った時の1枚。今や社長がのんきに2週間休める会社になりました。それを実現してくれているスタッフの皆さんには、感謝感謝です。